頭痛とは
頭痛は大きく、一次性頭痛と二次性頭痛に分類されます。このうち一次性頭痛は頭痛の症状そのものが疾患とされているもので、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあります。一方、二次性頭痛は何らかの病気を発症していることによって起こります。とくに注意しなくてはならないのが、脳腫瘍や脳出血といった病気が原因となる二次性頭痛です。
頭痛を訴えて来院される患者さんの大半は、器質性の原因がみられない一次性頭痛です。ただし、二次性頭痛の可能性もありますので、下表のような頭痛があるときはすぐにご受診ください。問診や視診だけでなく、CT、MRIの画像検査も行い、診断をつけていきます。
このようなときはすぐにご受診ください
- これまで経験したことのない頭痛に襲われている
- 頭痛の様子がいつもと異なる気がする
- 神経の脱落症状がみられる頭痛
- がんや免疫不全の病気に罹患している患者さんの頭痛
- 精神症状がある患者さんの頭痛
- 項部硬直がみられる頭痛
片頭痛
片頭痛になると、頭部にズキンズキンと脈が打たれているかのような痛みが起こります。このような痛みが現れると、数時間~3日間程度はつらい症状が続きます。発症頻度に関していうと、週1回程度の患者さんもいれば、月1回程度の患者さんもいらっしゃいます。頭痛だけでなく、吐き気がみられたり、目の前にフラッシュのような光が見えたり、視野の一部が見えにくくなることもあります。詳しい発症の原因は特定されていませんが、脳がストレスを受けることで脳血管が収縮したり、一気に脳血管が拡張することで痛みを引き起こすのではないかといわれています。治療をするにあたっては、主に薬物療法を行います。 薬物療法には、頭痛発作時に痛みをやわらげるお薬と、頭痛を予防するためのお薬があります。近年、効果の優れた頭痛予防薬(月1回の皮下注射)が登場して、その効果を実感されている患者さんも多くいらっしゃいます。
群発頭痛
群発頭痛は、年に1~2度ほどの割合で起きることが多いのですが、頭痛の症状が1度現れると、数日から数週間は目の奥で激しい痛みが生じます。主な原因は、頭部の血管が拡張することだと考えられています。20~40代の男性によくみられるタイプであり、とくにお酒を飲みすぎる方、タバコを吸われる方は要注意です。このほか、一部のお薬が原因となって起こることもあります。治療にあたっては、主に痛みを抑えるためのお薬を処方したり、酸素吸入を行います。
緊張型頭痛
緊張型頭痛になると、頭の周囲が締め付けられるように痛みます。これが数時間~数日程度も続きます。頭痛だけでなく、めまいや肩こりなども起こりやすいです。年齢や性別などに関係なく、幅広い世代に見受けられますが、とくに精神的ストレスが溜まっている方、長時間のデスクワークをされている方が多いといわれています。長時間にわたって同じ姿勢を維持し続けたり、ストレスなどで血行不良が続いたりすると、緊張型頭痛になりやすいのでご注意ください。治療に関していうと、痛みなどの症状を抑えるために薬物療法を行います。
頭痛について、頭痛オンライン(沢井製薬提供)も参考になさってください。
頭痛外来とは
頭痛は多くの人が経験する症状ですが「頭痛くらいで…」と思い、病院に受診せず「市販薬」を服薬して人知れず、“頭痛”に悩まされている方がほとんどです。
頭痛外来は、そのような頭痛に悩まされている患者さんのために設けられた窓口です。頭痛は300以上の種類がありそれぞれ予防法や対処法が異なります。診断が誤っていたり、適切でない治療を受けている場合、症状は改善しません。頭痛外来では専門の医師が詳しくお話を伺い検査を行って正確に診断し、患者さん一人ひとりに合わせた治療を行います。
当院では、日本神経学会認定神経内科専門医・日本脳卒中学会認定脳卒中専門医・日本頭痛学所属の杉山院長と日本神経学会認定神経内科専門医・日本頭痛学会認定頭痛専門医の鈴木医師が診療を担当いたします。(各医師の担当については担当医表をご確認ください。)
頭痛は治療が可能な病気の一つです。「たかが頭痛くらいで」とためらわず、頭痛でお困りの方は一度頭痛外来の受診をご検討ください。